2009年8月15日(土)



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そしてテキトーなとこで止める







ひとりの漢がある偉業をなしとげた。
その漢の名はミネロックという。
今宵ここに、その伝説ともいえるべき奇跡の軌跡をご紹介しよう。
いや、しなければならない。


今から約2か月前。
私がコインランドリーにて洗濯物を乾燥機にぶち込んでいる時だった。
乾燥機のモーター音のみがこだまするその独特の世界が
突然切り裂かれたかのように、私の携帯電話の着信音がけたたましくこだました。
実を言うと、私の携帯電話は常にマナーモードにしてあるため、本当は着信音は鳴っていない。
が、ここは鳴ったことにする。


携帯のディスプレイに目をやる
[着信 ミネロック]


あぁ。ミネさんか。バンドの話だろうか。

いつものように通話ボタンを押し電話に出た。


私「もしもし?」


この電話が全ての始まりだった。
今思い起こせば、この時既にミネロックはこれから起こる伝説のベクトル上だったのだろう。


ミネロック「ねぇ。白夜って知ってる?」

私「白夜・・・」

ミネロック「夜なのに太陽がでててさ。夜が昼みたいになってさ。。。」

私「・・・・・・」

ミネロック「だらだらグズグズ人生は続いていくって話。それだけ。じゃね。」


そう言って彼は電話を早々と切った。
本当はこれみじんもこのような会話はしていないのだが、
今思い起こすときっとこういうことだったのだろう。
そうしておこう。


いや、事実を伝えなければ話がすすまないことに今きがついた。
だが、この事実をありのままに伝えるとなると、恐らく3部作になってしまうほどの容量だ。
だので、申し訳ないが要所要所だけをかいつまんで説明すると、
『ミネロックは「白夜行」というドラマをyoutubeで見た』ということだった。
あぁ、案外短く言えた。


その電話で二人してたまには肩を並べて、飯でも食べようということになったのだが、
この二人が飯を喰らいにいくとなると必然的に麺になるわけである。
というわけで










DJ U-KO以外の誰かとラーメn





おっと間違った。そんな話ではない。
しかし蛇足ではあるが、確かこの日はちばかった。


ミネロック「ねぇ。」

私「はい。」

ミネロック「今から家に行ってもいいかい?」


私は高まる鼓動を抑えるのに必死だった。
あのミネロックが。ミネさんが我が家にやって来る。
しまった。部屋は散らかりっぱなしだ。昨日の洗い物そのままだった。
まずい。下着を部屋の中に干しっぱなしだった。それ以上に今日は勝負パンツ履いていない。
そんな一歩間違えれば濃厚なガチホモエピソードになってしまいそうな提案だった。


今思えばこの提案が全ての始まりだったのかもしれない。


そうこうして二人は我が家に到着。
するといきなりミネロックはもうガマンできないと言わんばかりに、
私のを強引に開き、そしていきなり入れてきた。そうしてしばらくすると立ち上がり、次の瞬間激しく叩きだした。
さっきまでの紳士的なミネロックはもうここにはいなかった。いるのは野獣そのものだった。
もう少し正確に説明すると
ノートパソコンを開き、スイッチを入れ立ち上ったらキーボードを叩いた。
というよくある話だ。


ミネロックの打ったワードに目をやる。
「byakuyakou」
何だ。このワードは。日本語じゃないから読めない・・・。
初めて見るこのワードを指差しながら、ミネロックはなんとも切ない声で発声した。


ミネロック「ビャクヤコウ」

私「ビャクヤコウ」

ミネロック「そう。白夜行。ねぇ、ところで。白夜って知ってる?」

ミネロック「夜なのに太陽がでててさ。夜が昼みt」

私「さっき聞きましたよね。」

ミネロック「あ、そうだっけ。要は、つるつるシコシコ人生は続いていくって話。」

私(えーっ!?さっきとなんかちがくね?つるつるシコシコってそれ麺の話じゃね?)



もちろん実際にはこのような会話はコレ微塵もなかったのだが、
気にしないのが大人の楽しみ方だ。


そうして私はミネロックに強く勧められるがままに
白夜行の第1話を観た。
正直、私はいまだかつてテレビドラマというものをまともに観たことが無い。
というより、テレビそのものをほとんど観ないのだ。
しかし、この時は違った。いつもならば見つめているとだんだんと眠くなるモニターが
まるで生まれたばかりの小鹿が自力で立つ瞬間を見守るかのごとく
いや、何か違う
まるで生まれたての子牛が自力で立つ瞬間を見守るかのごとく
いや、まだ何かしっくりこない
そう、まるで生まれたての子羊が自力で(ry
もうどうだっていい。
とにかく目が離せなかった。たった1話を観ただけでで私はこの物語にのめり込んでいった。
そしてこの生まれたての比喩のくだりはイマイチだと思った。


その日からというもの、私は時間を見つけては
白夜行を観た。しゃにむに観た。
時には一日に数話続けて観て気がつけば朝方だったということもあった。多分。
仕事をしていても、寝るときでもとにかく話の行方が気になってしょうがなかった。
ミネロックと顔をあわせればとにかく白夜行の話題ばっかりだった。
「あのシーンのあいつの演技が良いよね!」
「ストーリーの展開が凄いよ!」
「グリースは好きかい?」
ドラマの話題で盛り上がるなんて、まるでマクドナルドにいる女子高生のようなだったが、
共通の話題は楽しかった。


そんな日々がしばらく続いた。
今思えばこの日々が全ての始まりだったのかもしれない。
さらに思えばさっきから始まりすぎてよくわからない。


この頃からどうもミネロックの様子が違っていた。
そしてある日ミネロックが神妙な顔つきで
独り言のように私に向かってつぶやいた。


ミネロック「綾瀬はるかちゃん・・・」

私「え?」

ミネロック「綾瀬はるかちゃん。綾瀬はるかちゃん。。。」

私「彼女がどうかしたんですか?」

ミネロック「綾瀬はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。
はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。
はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。
はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。
はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。はるかちゃん。
はるかちゃんはるかはるかはるかはるかはるか
HARUKACHA-------------------NNNNNNNNNNNNNNNnnnn!!!!!!!!!!!!!111111」

私「だから、どうしたんですか?」(ダメだこの人。早く何とかしねーと。)

ミネロック「っていいよね。」

私「確かにいいですよね。」

ミネロック「好きだ。」

私「でも、ミネさんは“ゆっきー”がいるじゃないですか。」


ミネロックは川村ゆきえの大ファンであった。
どのくらいのファンかというと、グラビア表紙のヤンジャンを購入は勿論のこと、
毎日欠かさずゆっきーにっきを観覧するほどのファンだった。


ミネロック「・・・・・・」

ミネロック「別れる」

私「本当にいいんですか?あれほどゆっきーに惚れていたのに。」

ミネロック「漢に二言はない。俺は今日から、綾瀬はるかちゃんファンだ。」


こうして未練無くグラビアアイドルときっぱりと決別し、
この日から白夜行でヒロインを務めていた綾瀬はるかファン宣言をした。


しかし、今からファンとは厳しい道のりだろう。
この世界にはとんでもない筋金入りのファンがごまんといる。
きっと綾瀬はるかがデビューする前から追っかけていた奴もいるだろう。
ましてや綾瀬はるかともなるとトップクラスの芸能人だ。
敵はかなり多いはず。そんな猛者達が溢れる中に自ずと飛び込んでいったミネロックの背中は
実に男らしかった。


まるで熱病にでもかかったかのようにミネロックの頭の中は綾瀬はるかだった。
電話でも、メールでも彼女の話題ばっかりだった。
彼女の話をする時のミネロックの顔はなんとも嬉しそうだった。


ミネロックの綾瀬はるかに対する思いは日に日に増して行き
その思いはコップから溢れ、その溢れた気持ちだけで私はお腹いっぱいになってしまうほど
ミネロックの綾瀬はるかへの熱い思いはグツグツと煮えたぎる真っ赤なマグマのごとく溢れていた。


会いたい。ひと目でいいから本物の綾瀬はるかをこの目で見たい。なんなら一緒にコンビニに行きたい。
でもどうすれば会える?俺はどうしたらいいんだ?
彼女は歌手ではないからライブを観にいって会うというわけにはいかない。
現在舞台を公演やっている訳でもない。
会いたい。ブラウン管越しではなくて直接この瞳で見たい。
どうすれば・・・どうすれば・・・。


ミネロックにとって苦悩の日々であった。
彼女への思いが強くなればなるほど、彼の胸はきつく締めつけられる思いだった。
会いたいのに会えない。これほど酷なことはこの世にあるのだろうか。
時にはミネロックは綾瀬はるかを好きになってしまった自分自身を呪った。
こんな思いをするくらいならいっそのこと・・・
いや、だめだ。こんなことでくじけては到底無理だ。
今までだって不可能を可能にしてきたじゃないか。
そうだ、俺はやれるんだ。あの時を思い出せ。そうあの時を。
富士丸でチョイマシして喰いきったあの時を!
あの時だって始めは無理だと思ったが、俺は自分自身の力であの富士丸山脈を乗り越えたじゃないか!
そういえば、あの時だって、バースデーラーメンと題して食べたあのちばから漢盛りの時だってやれたじゃないか!
俺はやれるんだ!やってみせるさ!!じっちゃんの名にかけて!!!


7月の終わり。蝉がよりいっそう力強く鳴き始めて
いよいよ夏到来という頃だった。


ミネロック「あのさ・・・」


ミネロック「あのさ・・・映画の試写会ってさ・・・行ったことある?」

私「試写会ですか?あるにはありますけど・・・。」

ミネロック「それってさ、出演役者本人が来たりするの?」

私「さぁ、どうでしょうかね?私のときは来なかったですけどね。でも来ることもあるんじゃないですかね。」

ミネロック「実はさ・・・」







ミネロック「ホッタラケの島って映画でさ」








ミネロック「綾瀬はるかちゃんが声優をやっててさ」










ミネロック「その映画のさ」










ミネロック「試写会に応募してみたらさ」













ミネロック「当たった」




























ジーザスクライスト。この人は何て言ったんだ。
試写会が当たった?確かにそう言った。
何の?ウンジャラゲの島?よく聞き取れなかった。
そんなことより綾瀬はるかってキーワードがでてきた。


私は、はやる気持ちを押さえ聞きなおした。


私「綾瀬はるかちゃんの映画の試写会に当たったんですか?」

ミネロック「うん。当たった。正確にははるかちゃんが声優を務めている映画の試写会に当たった。」


聞くところによると、その映画の試写会は50組100名ほどの招待だったらしい。
そんな競争率が高い抽選会に当たったのだ。これは驚きだった。


しかし、当人は素直に喜べてはいなかった。
確かに試写会に当たったのは嬉しい。だが、本人が来ないのならば、行く意味はあまり無いのでは。
ましてやこの日は平日。しかも仕事が忙しい盛りだ。
無理して休みをとってまでして行くほどのものなのだろうか・・・。
いや、しかし、もしかしたら本人が来たりする可能性も無きにしもあらず。
生きるべきか、死すべきか。まるでハムレットの一節のような決断を迫られる。


そしてミネロックは意を決した。
意を決して、休みをとったのだ。
この決断をくだすのに、どれだけの人が犠牲になり、そしてどれだけの人が死んでいったのだろうか。
恐らく誰一人として死んではいないだろうが、そういうとなんだか重みが増す。


そして運命の日。2009年8月5日。
ミネロックにとって生涯忘れられない日となる。
余談ではあるがこの日8月5日はドラマ白夜行の主題歌を歌った柴崎コウの誕生日でもある。
これも何かの運命だろうか・・・。
さらに余談ではあるが、マイケル富岡の誕生日でもある。
が、これは今回の話にはまったく関係ない。あと最近みない。




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ここからは本人からのメールを紹介させていただく。


2009/8/5 13:26
お疲れ様です
無事綾瀬はるかちゃんに会えました。
嬉しさのあまり涙出そうです。
しかも綾瀬はるかちゃんとの距離も2m程でした。
どうにかなりそうです。





そう。



彼は



ついに



本物の綾瀬はるかと会うことができたのだ。


上映終了後にキャストの挨拶があり、夢にまで見た綾瀬はるかと
2mという距離で対面できたのだ。
ずっと会いたい会いたいと願ってやまなかった思いが、夢が
ついに叶った瞬間であった。



感動した(ミネロック 1975〜)



ミネロックが綾瀬はるかに出会えたということは
私にとっても嬉しいことだった。
まるで自分のことのように興奮している私がいた。
良かった。本当に良かったと心から祝った。




だがしかし、これでこの漢の奇跡は終わりでなかった。
事件はこの翌日に起こった。



8月6日の夜にミネロックから電話があった。
何だろうとと思いながらも、いつものように何気なく電話に出た。


ミネロック「見た?」

私「何をですか?」

ミネロック「スポニチのウェブサイトで芸能欄を見ろ。話はそれからだ。」


そういって電話を切った。


私はもうパソコンをシャットダウンする直前だったので、若干面倒くさいなと思いながらも
何のことか気になり、スポニチのサイトをのぞいてみた。














?!


オーマイガッ
開いた口がふさがらなかった。
この漢はやったのだ。本当にやったのだと実感した。






















もうモザイクとかの話じゃないっす



ちょwwwwwwwwwwwww写り杉wwwwこれはねーだろwwwwww
背景で写っているというよりも、ほぼ一緒に写っているじゃねーかwwww
しかもこの写真はスポニチおよびスポニチのウェブサイトで全国公開されている。



私はミネロックのミラクルぶりに驚愕し
そして尊敬の念を抱いた。



世の中には
綾瀬はるかのサインを持っているファンいるだろう
綾瀬はるかと握手したファンもいるだろう
綾瀬はるかと写真を撮ったファンだっているだろう
綾瀬はるかとお喋りしたファンだっているだろう



しかし、ファン歴たった2ヶ月で、試写会に当たり
一緒に写真に写り、挙句、日刊発行部数100万の新聞で
そのファンっぷりをアピールできている人間が
どれだけいるだろうか



夢を叶える為のパワー、そして叶った瞬間が形となって見えました。



ミネロック。
きっとあなたの偉業は末代まで語り継がれることでしょう。
そしてあなたは太陽となり夜を照らすでしょう。


補足・ミネロックは8月5日発行のスポニチを3部購入したそうです。



FIN